機械設計と電気設計がAltiumのMCAD CoDesignerで一体化

小規模な設計事務所や大企業で働く電子設計者は、機械設計者とのインターフェースにおいて共通の課題に直面することがよくあります。多くの新製品では、機械的なフォームファクターの要件が物理的なレイアウト、インターフェースの位置、およびコンポーネント選択の点で電気設計の協力を制約します。

多くの電子製品では、フレックスおよびリジッドフレックスボードの設計には、フォームファクターの制約が満たされ、フレックス領域が信頼性を持つことを保証するために、フレックス領域の機械的挙動の慎重なモデリングが必要です。これらの問題は、製品リリースサイクルの加速によってさらに複雑になり、電気および機械設計エンジニアがこれまで以上に協力して作業する必要があります。

これらの分野での成功は、MCADとECADの領域間での緊密な協力を必要とし、機械的な制約が侵害されず、最終設計が大規模に生産できることを保証します。今日の設計およびデータ管理システムがまだ基本的な統合機能を欠いているため、これらの領域間の協力は依然として各側間のファイル交換に依存しています。

Altiumは、MCAD CoDesigner拡張機能を通じて、設計チームが生産性の課題を克服するのを支援するために、MCADツールへの取り組みを強化しました。このシンプルなユーティリティは、Altium DesignerプロジェクトをAltium 365プラットフォームを介して人気のある3D電気MCADアプリケーションに接続します。従来のECAD/MCADワークフローを統合することで、多機能設計チームは、通常エンクロージャ設計、制約の定義、干渉バックチェックの一部として必要とされる多くの手動ファイル交換プロセスを排除できます。

Quantel Laserのような革新的な企業は、製品開発のあらゆる側面で協力するためにMCAD CoDesignerを使用しています。混合設計チームは、Altium 365プラットフォームを介してECADおよびMCADデータの可視性を持つことができ、これにより製品開発が合理化され、ECAD/MCAD/EDMDのコラボレーションにおける多くの非効率性が排除されます。

より効率的なワークフローを実現

Altium Designer内のCoDesignerパネルと、MCADコラボレーションソフトウェア内の対応するアドオンパネルにより、電気設計者と機械設計者がシームレスにやり取りでき、効率的な協力的ワークフローを可能にします。舞台裏では、このワークフローは堅牢なサーバーサイドのサポートによって促進され、設計変更を手動のファイル転送や損失のあるファイル形式を必要とせずに転送、レビュー、承認または拒否できます。CoDesigner拡張機能は、ボード機能への参照を保持することで最高クラスのモデルサポートを提供し、一方のアプリケーションでの機械的ハウジング設計の更新が対応するアプリケーションで正確に反映されることを保証します。

PCBレイアウトエンジニアによる初期のコンポーネント配置が完了すると、その後は機械エンジニアの仕事となり、すべてがエンクロージャに収まるかを確認し、必要に応じて変更を伝える必要があります。多くの場合、機械設計者は、詳細な機械チェック、有限要素解析（FEA）、機械的制約を満たすための配置の変更を行う必要があります。CoDesigner拡張機能は、これらのタスクと、同期およびモデリング機能を備えたPCBアセンブリに対して、さらに多くの作業を可能にします。

設計データの同期

MCAD CoDesigner機能は、CoDesignerパネルのボタンで更新が各側間で交換されるシンプルなプッシュプルプロセスを実装しています。一方の更新は数秒で同僚に転送され、これによりコラボレーターのCoDesignerパネルに通知がトリガーされます。各側は、プッシュ操作ごとにコメントを追加することで変更を追跡できます。このECADおよびMCADデータの即時交換は、手動でのIDF/IDX/STEP/DXFファイルのインポートおよびエクスポートを必要とせずに達成されます。両ドメインのエンジニアは、ファイルの作成と転送ではなく、設計に集中できます。

デザインがMCADアプリケーションにインポートされると、MCADツールで行われた変更はプッシュプル機能を使用してECAD側と同期されます。デザインがAltium Designerに戻されると、PCBレイアウトデータは直ちに更新され、ボードのアウトライン、銅、穴の配置、またはコンポーネントの位置の変更を反映します。同様に、Altium Designerでの後続の変更はMCAD側にプッシュバックされ、デザインがMCADアプリケーションに戻されるとボードモデルが更新されます。この往復の同期はエンクロージャにも適用され、Altium Designerにプッシュすることができます。

正確なモデル表現

PCBアセンブリがMCADアプリケーションにインポートされると、機械エンジニアは正確なボードのジオメトリを必要とし、多くの場合、銅とはんだマスクの正確な定義が必要です。その正確なモデルは、詳細な機械的チェックや、熱分析や振動分析などの有限要素解析（FEA）シミュレーションの実行に使用できます。

同期されたECADおよびMCAD環境

CoDesigner拡張機能は、ECAD環境の多くの重要な側面をMCADアプリケーションで同期させ、その逆も同様です。

1. 機械設計者は、MCADアプリケーションで直接PCBAのモデルを扱うことができます。
2. 機械設計者は、エンクロージャの要素を選択してECADアプリケーションに共有することができ、これによりEEはハウジングのモデルと関連する制約を確認できます。
3. MCAD CoDesignerはネイティブのMCADデータを直接（かつ慎重に！）扱うため、ベアボード、PCBコンポーネント、またはエンクロージャの要素間で定義された任意の機械的制約や寸法は、各同期時に保持されます。さらに、ECADではPCB上のコンポーネントをロックすることが可能であるため、CoDesignerはECADの「ロック」状態をMCADの「制約」状態と同期します。
4. 電気設計において機械的制約を強制する標準的な方法は、MCADモデル内でキープアウト領域を定義することです。モデル参照が各側で保持されるため、キープアウトはMCADコラボレーションツールで定義され、ECAD側に同期されます。

同期された制約

Altium Designerのネイティブ3D設計ツールは、3Dでの制約およびクリアランスチェックを提供し、同じタイプのクリアランス定義と制約をMCADアプリケーションにプッシュして、機械オブジェクトオーガナイザーおよび設計タスクで使用できます。同様に、これらの制約とクリアランスはMCADアプリケーションで定義され、Altium Designerにプッシュバックすることができます。このレベルの同期は、両側での干渉チェックを迅速に進め、干渉を早期に検出することを可能にします。

ECADとMCADコンポーネントの連携

CoDesigner拡張機能は、MCADコラボレーションツールに配置されたコンポーネントをECADツールの対応するコンポーネントと自動的に同期させ、その逆も同様です。これにより、設計の共同作業において時間を節約できます。なぜなら、機械設計者は、コネクターや取り付け穴などの機械的に制約されたコンポーネントに適切な位置を即座に決定できるからです。MCADアプリケーションでの配置により、エンクロージャの制約が満たされることが保証されます。機械設計者はエンクロージャの制約を完全に把握でき、ECAD側のコンポーネント定義は自動的に同期されます。

キープアウトは、MCADツールの上層または下層として定義でき、これらのキープアウトの割り当てはPCBレイアウトに反映され、ECAD側の設計ルールに対して干渉がチェックされます。必要に応じて、キープアウトの形状はAltium Designerで調整され、MCAD側にプッシュバックされます。

リジッドフレックスボードの双方向サポート

フレックスおよびリジッドフレックスアセンブリには、リジッドPCBアセンブリに適用されるものを超えた追加のモデリングと評価が必要です。MCAD CoDesignerプラグインは、フレックスおよびリジッドフレックスボードの両方向へのサポートを提供します。リジッドおよびフレックス領域、曲げ線、およびボード形状は、MCADアプリケーションで定義され、Altium Designerに戻すことができます。レイアウトエンジニアがコンポーネントを配置し、初期ルーティングを完了すると、設計はMCAD側でエンクロージャと一緒に評価およびプレビューできます。リジッドフレックス設計の双方向サポートはシームレスであり、リジッドPCB用に使用されるのと同じワークフローに従います。

PCBアセンブリが機械エンジニアに「壁越しに投げられる」時代は終わり、Altiumは、従来のECAD/MCADワークフローによって生じる生産性およびコラボレーションの課題を克服するために設計チームを支援しています。MCAD CoDesignerのような強力なコラボレーションツールは、ECADとMCADの領域間のギャップを埋めるのに役立ちます。数百の企業が、より生産的で、より高度な設計をより少ない時間で生み出すために、AltiumからのMCAD CoDesignerエクステンションに依存しています。

MCADユーザーと協力するために繰り返しファイル転送を行う代わりに、Altium Designer用のMCAD CoDesignerプラグインを使用してください。PCBデザインは、Altium 365^™プラットフォームを通じてSolidWorks、Autodesk Inventor、Fusion 360、またはPTC Creoにインポートでき、製品開発に必要なすべてを効率的なワークフローで提供します。

ECAD/MCAD/EDMD統合の表面をかすめただけで、Altium DesignerとAltium 365で何が可能かはまだまだあります。今日からAltium Designer + Altium 365の無料トライアルを始めましょう。