基板の製造が単純であれば、コンポーネントの在庫を気にせず、設計者はいつでも設計図を送り出すことができます。残念なことに、PCBサプライチェーンの事情により、回路基板の製造と組み立てが計画通りに進まないこともあります。コンポーネントの在庫がなくなることもありますし、重要な部品の製造が終了してしまうことも、設計がPCBの組み立てラインに乗る前に価格が急変することもあります。こうした問題を回避し、納期に間に合わせるため、設計者にはどのようなことができるでしょうか。
Altium DesignerのPCBサプライチェーン機能を使用すると、コンポーネントに必要な調達データを簡単に入手し、調達に関する問題を早期に発見することができます。サプライチェーンが混乱した時点で対応するのではなく、設計が完了して生産に向けて送り出される前に、コンポーネントの供給が中断される事態を予測できます。ここでは、設計に必要な部品を見つけ、回路図やレイアウトに部品を直接、インポートし、製造前に部品を確実に調達する上で、Altium Designerがどのように役立つかを説明します。
PCBサプライチェーンを可視化する機能と完全な設計ツール群を組み合わせた、業界唯一の設計アプリケーションです。
新しい設計は、パッシブICおよびSoCから特殊用途のICおよびSoCまで、膨大な種類のコンポーネントを使用している可能性があります。設計者は、PCBサプライチェーンの変動に影響されないように、製品に含まれるすべてのコンポーネントを管理する必要があります。新しいデザインを大規模に、かつ最小限の再設計で作成するにあたり、設計チームは電子部品のサプライチェーンを完全に把握できるようにしておく必要があります。新製品を必要な規模で確実に生産する最善の方法は、サプライチェーンを早めに詳しく調べておくことです。
サプライチェーンを詳細に調べるために、設計者にはどのようなことができるでしょうか。サプライチェーンの統合には、販売業者のデータベースを参照するだけではなく、新しい設計にコンポーネントをインポートしたり、調達データを単一のインターフェースで管理したりするためのツールが必要です。フル装備のPCB設計ユーティリティセットであれば、PCBサプライチェーンの問題を克服し、円滑に製造を行うために設計者が必要とする機能を備えているはずです。
PCB設計者は、サプライチェーンを問題なく管理するために、リードタイム、コスト、部品の製造終了、利用可能な代替コンポーネントなどに関する最新の情報を必要としています。販売業者からデータを入手するために、Webサイトを参照したり、手作業でコンポーネンの在庫を記録したりする手間を省き、PCB設計ソフトウェア内でこれらの機能にアクセスできるようにする必要があります。PCBサプライチェーン管理ツールでは、設計チームが以下のデータを利用できることが理想です。
PCB設計ソフトウェアでこれらのデータにアクセスできれば、製造や組み立てに遅延が発生する前に設計をやり直さなくても済むようになります。
サプライチェーンの統合の主な問題は、最新のデータにアクセスできないことです。適切なサードパーティサービスに登録し、コンポーネント販売業者のWebサイトの閲覧に十分な時間を費やすことができれば、必要なデータを見つけられます。本当の問題は、設計ソフトウェア内でデータにすぐにアクセスできるかどうかです。サードパーティのソリューションは、ECADモデルや調達データを設計ツールに直接提供できないため、本当のソリューションではありません。
Altiumは、主要な販売業者と提携して、Altium Designerのユーザーにサプライチェーン可視化ツールの完全なセットを提供しています。それらの機能はAltium Designerに組み込まれており、重要なPCBサプライチェーンデータにアクセスするために外部アプリケーションを使用する必要がありません。また、このデータは設計ドキュメントやBOMに即座にインポートされるので、部品調達情報をドキュメントにコピーする必要はありません。大規模なOEMから小規模なサービス機関に至るまでのすべての設計者は、Altium Designerのサプライチェーン管理機能を使用することで、生産性の利点を得られます。
リアルタイムのサプライチェーン可視化ツールを使ったコスト管理の方法については、こちらをご覧ください。
Altium DesignerのManufacturer Part Searchパネルについては、こちらをご覧ください。
設計技術者やプロジェクトマネージャーは、回路基板を作成するために適切な回路図設計やPCBレイアウトの機能が必要ですが、同時にコンポーネントモデルを設計ツールに統合するツールも必要です。生産性を維持し、製造遅延を防ぐためには、部品調達データが非常に重要です。ただし、PCB設計者には、設計に使用する正しいコンポーネントデータとECADモデルも必要です。多くのコンポーネントには非標準のパッケージやフットプリントがあるため、フットプリントを1つ1つゼロから作成するのではなく、非標準のパッケージやフットプリントのデータを設計ドキュメントにすばやくインポートするツールが必要です。
Altium DesignerのManufacturer Part Searchパネルや設計ライブラリにより、フットプリントや回路図シンボルが更新されたコンポーネントを即座にダウンロードできます。コンポーネント作成サービスを利用したり、フォーラムで正確なコンポーネントが見つかることを期待したりする代わりに、コンポーネントを即座にライブラリにインポートして、PCBレイアウトへの配置を開始することができます。最新のコンポーネントデータや調達情報により、生産性を維持するために必要なあらゆる手段を手に入れることができます。
Altium Designerのコンポーネントライブラリは統一されたデータフォーマットを使用しているので、設計の再利用や設計の更新が簡単です。設計ドキュメントからのライブラリ作成や、新しい設計での回路ブロックやレイアウトブロックの再利用をすばやく実行できます。古い設計を更新する必要がある場合は、新しいコンポーネントを簡単に設計にインポートして、古いプロジェクトでの更新の適用を開始できます。PCBサプライチェーン機能とPCB設計ツール一式があれば、生産性を高めるために必要なすべてを1つのアプリケーションで手に入れることができます。
PCB設計戦略の一環としての部品調達ツールの使用の詳細については、こちらをご覧ください。
リアルタイムに更新されるPCBコンポーネント ライブラリの詳細については、こちらをご覧ください。
PCB設計ソフトウェアのECAD/MCADの統合の詳細については、こちらをご覧ください。
クラウドデータ管理ソリューションは大きく進歩しましたが、サードパーティのデータ管理ツールでは、高い生産性を手に入れるために設計者が必要としている統合を提供できません。更新されたコンポーネントモデルや部品調達データを外部のサーバーやクラウドサービスにバックアップしておくと、作業が煩雑になり、エラーが起こりやすくなります。設計やプロジェクトのデータをサードパーティサービスにバックアップしておく必要はないはずです。必要なのは、PCB設計ソフトウェアですべてを効率化し、アクセス可能な状態にしておくことです。
Altiumは、サプライチェーンとプロジェクトデータ管理のための完全なエコシステムをクラウド上に構築するという、前例のない一歩を踏み出しました。使いやすいこれらのツールはAltium Designerでアクセスできます。Altium 365プラットフォームは、完全なデータ管理とサプライチェーン可視化ソリューションに対する、設計チームの答えです。Altium 365プラットフォームをAltium Designerに統合することで、PCB設計チームは、設計データ、およびサプライチェーンを単一プログラムで迅速に共有、アクセス、管理できるようになります。
サプライチェーン情報をPCBライブラリに直接統合するツールがあれば、PCBサプライチェーンデータ管理にサードパーティのツールを使用する必要はありません。コンポーネントのサプライチェーンの問題に対応するのではなく予測し、予測結果に応じて調達戦略を計画することができます。Altium 365のサプライチェーン統合により、部品の突然の製造終了や耐用期間超過の通知に慌てることなく、必要なコンポーネントを使用してより迅速に製品を市場投入できます。そして何より、Altium Designerですべてのデータにアクセスできるので、最大限の生産性で設計を行うことができます。
Altium Designerの統合環境の詳細については、こちらをご覧ください。
Altium 365プラットフォームの詳細については、こちらをご覧ください。
Altium Concord ProによるAltium Designerの拡張の詳細については、こちらをご覧ください。
Altium Designerは、業界で最も優れた設計ツールに加え、PCBサプライチェーンの可視化、および管理機能を提供する唯一のPCB設計プラットフォームです。少量の試作が必要な場合でも、数百万のユニットの完成が必要な場合でも、Altium Designerならば、成功に必要なサプライチェーン管理機能を利用できます。
Altium 365のAltium Designerは、ソフトウェア開発の分野に委ねられていた電子機器業界で前例のない統合を実現しており、設計者は自宅でもこれまでにないほど効率的に作業を進めることができます。
ここで述べたのは、Altium 365でAltium Designerを使用して行える作業のごく一部にすぎません。より詳細な機能については、製品ページ、またはオンデマンドWebセミナー「Altium 365入門 - 基本操作」をご覧ください。